AI×医療で変わる未来とは?医師の仕事がAIに奪われるって本当?

AI×医療で変わる未来とは?医師の仕事がAIに奪われるって本当?

AI(Artificial Intelligence; 人工知能)の認知度が急速に上昇している昨今、医療業界にもその波は確実に到来しています。「AI×医療」という謳い文句で、様々な業界が多様なアプローチで医療に参画し始めており、一般の人たちの中にも「AIで医療の未来が変わっていくんだな」という認識が徐々に広がっているように思われます。

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AIが人の仕事を奪う?

ロボットが人間を押しのけるイラスト

AIの開発が進むにつれ、「AIに仕事を奪われる」といった、悲観的な考え方の人も増えてきているように感じます。しかし、果たしてそれは本当なのでしょうか。

AIが私たちの仕事を奪ってしまったとして、どのような困ったことが起こるのでしょう。

今回は、AIが医療に参画することで、医療の未来はどのように変わるのか、医療現場で何が変わるのか、また医師の働き方はどのように変わるのかなどについて、分析していきたいと思います。

現時点でAIは医療現場で何ができるのか?

ロボットが診断している画像

AIと一口に言っても、それが指している機能や実態は、話される文脈でかなり違っていることがあります。医療現場における「AI」は何ができるものなのか、未来ではどのような働きを期待されているのか、詳しく見ていきましょう。

医療現場におけるAIの働きとは?

現在、IBMの「ワトソン」を筆頭として、実際の医療現場で利用されているAIがあります。

これらは主に診療の「補助」として利用されており、問診や検査所見から推測される鑑別診断をリストアップし、その中から最も「それらしい」診断を提示したり、人間の医師では時間がかかってしまう画像診断や細胞診における細胞数の測定などを行なっているものがほとんどです。

つまり、ある一定のアルゴリズムに則って、与えられたデータを利用する、という働き方をしています。

医療現場へのAI導入はスロースタート

外科手術など具体的な治療をしたり、「自分で考えて」診断をつける、といったことはできないようになっています。これは、医療AIの先進国・米国の医療機器や薬物の認可機構であるFDAが、医療AIの利用や活用を非常に慎重に進めているからです。

医療現場以外で利用されたり、現在研究が進められているAIでは、使用を継続していくに従って、AI自身が「学ぶ」のが当たり前です。つまり、そのAIを製作した時点で教えたデータ(これを「教師データ」と言います)を元に、利用されるごとに新たに入力されるデータをAI自身が学習をして、より良いアルゴリズムを構築していきます。本来のAIは「勝手に成長する」のです。

AIの勝手な成長は医療では患者のリスクに変わる

医療現場においては、製作者(医療従事者)の意図と異なる方向にアルゴリズムが変わることは、改善であっても改悪であっても、好ましくありません

間違った診断をつけてしまう可能性もありますし、AIによる検査や測定を全く信用してしまうことで起こりうるリスクは非常に高く、このような不確実な診療は医療訴訟の元となります。

そのため、FDAを始めとする認可機構は、医療におけるAIの導入に慎重なのです。それは、日本の医療も例外ではありません。

新しいものを取り入れる時にはある程度のリスクが必要ですが、他の業界と違って、医療は「一度のミスも許されない」世界です。

リスクを承知でとりあえず使ってみる、ということがなかなかできない業界であるため、他の業種よりもAIの導入スピードがゆっくりなのは当然と言えるでしょう。

「AI×医療」で変わる、未来の医師の働き方

最先端のAI治療

今よりもさらに医療現場にAIが導入されていくことで、未来の医師の働き方はどのように変わるのでしょうか。「医師のパートナーとしてのAI」という視点から、「AI×医療」を考えていきたいと思います。

現在利用され始めているAI

現在すでに医療現場で実際に利用され始めているAIは、診療補助としての役割が非常に強いものです。

具体的には、複雑な鑑別診断を必要とする患者で、症例の少ない稀な疾患を見落とさないように、幅広い疾患から「これ」という疾患をピックアップする、といった働きです。

人間が苦手でAIが得意とするのは、「大量のデータからある法則に基づいて少数をピックアップする」といった作業です。

診断基準となる検査所見や主訴などをあらかじめ与えておけば、AI(つまりコンピュータ)の強みである検索能力で、人間がするよりずっと短い時間「それらしき疾患」を探し出してくれます。

医師の良きパートナーに、より専門的な業務に集中できる

医療AIを医師の診断パートナーにできれば、今まで診断にかけていた時間を、別のより専門的な業務に振り分けることができます。

例えば、これまでに見たことのない、特長的な所見も分からない全く新しい症例に出会った時に、「経験」という言語化されないデータを元に「思考」できるのは人間の得意分野です。これはまだAIにはできない(できても未熟)な分野と言ってよいでしょう。

人間とAIの得意な分野は異なっています。だからこそ、協調して働くことで、より良い医療を提供できるのではないかと私は思います。

医師もリモートワークが可能に?フレキシブルな働き方への期待、患者側のメリットも

医療AIの発達によって、医師の働き方はよりフレキシブルになるのではないか、と予想されます。

例えば、診療補助AIの発達で、遠方にいる患者とのやり取りがオンラインでもスムーズにできるようになれば、患者は遠い病院へわざわざいく必要はなくなります。

医師も、病院に必ずいなくても良くなれば、リモートワークで働く場所を自分で選ぶことができるようになるかもしれません。

検査などは病院へ来なければできないので、簡単な診察のみにはなると思いますが、どんな軽症でも病院へ実際に足を運ばなければ医師の診察ができない現在は、かなり不便です。訪問診療などのシステムはあるものの、誰もが気軽に使える制度ではありません。

医療AIの補助とオンラインシステムの発達によって、医師も患者もフレキシブルに医療を使えるような時代になるかもしれません。

未知のものに怯えずに、正しい知識で上手に利用しよう

AI、と聞くと「人間の仕事が奪われてしまう」と身構える人は多いかもしれませんが、それはきちんと現実を捉えられていないが故の恐怖であるということが、今回の記事でお分りいただけたかと思います。

誰しも未知の事柄は怖いものですし、不安になるのは当たり前です。しかし、私たちは未知のものを未知のまま怯えるのではなく、調査・分析し、考察することで、現在に生きる技術を獲得してきました。AIも例外ではありません。

正しい知識で上手に利用することで、医療の未来、未来の医師の働き方は良い方へ変わると私は思います。

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